令和6年度 2学期始業式
令和6年度 9月2日(月)2学期始業式が、Google MeetによるLive配信を利用して行わました。
◇次第◇
・校長講話
※下記に講話内容を全文で掲載
・生徒指導部主任講話
・生徒会長より
・校歌斉唱
◇2学期始業式の様子◇
校長講話 |
生徒指導部講話 |
▼校長講話全文▼
皆さん、おはようございます。
今日から2学期が始まります。
今年の夏も本当に暑かったです。昨年度の猛暑日の記録を更に更新しているところです。暑い日が続いたので、体に負担がかかっているかと思います。無理はせず体調管理に気を使ってください。
3年生の皆さんはこれから進路に向けて動き出します。全力で臨んでください。
2年生の皆さんは学校の中心として動いていることと思います。部活動もそうですが文化祭など学校を動かす要となって浦工を引っ張ってください。
今日お話しする内容は、夏休み中にフランスのパリ、イタリアのローマに行ってきたことの話です。ちょうどその期間パリではオリンピックが行われていました。その中で、これからの日本の在り方について考えさせられることがあったのでそのことをお話しします。
オリンピックは平和の祭典ともいわれ、古代ギリシアでは、その期間戦争をやめオリンピアで競技会を行いました。これが古代オリンピックの始まりです。
パリの印象ですが、歴史的な建造物が町のあちらこちらで見られ美しい街並みとなっています。飲食店が多く、オープンカフェとなっていてお店の前の歩道に、テーブルやいすがあり屋外で開放的な気分で食事を楽しむことができます。
ベーカリーが多くあり、焼き立てのクロワッサンを店の前でコーヒーと一緒にいただきました。最高においしかったです。
残念ではありますが、ポイ捨てのごみが多く、その意味では日本の街はきれいであることが実感しました。
最近、日本も国際化していますが、肌の色や服装からも多民族国家であることを実感しました。むしろ今では世界のスタンダードであることを感じました。日本も外国からいらした方が暮らしやすい共生社会を作る必要であることを感じました。
交通は日本とは大きく風景が異なりました。自転車は多かったです。それも、大きな荷物が運べるようユニークな形をしている自転車もありました。モーターもついているので自転車がバイクのように走っていました。バイクも電動のものが多かったです。EVも多く走っていました。電動のバスも多く走っていました。
スマホから利用できる電動キックボードも多く走っていました。日本で最近増えてきましたが、ダイチャリのように、いたるところに見かけました。車道をかなりのスピードで走っていました。2人乗りの人もいて、規則が日本より緩い印象を持ちました。
日本ではあまり見かけない、ミニカーも走っていました。
安全性は、どうとも言えませんが、渋滞の多い都市部でうまく機能している印象を持ちました。
日本でも電動キックボードの扱いについて示されましたが、数年先をいっている印象を持ちました。
様々な手続きも、IT化が進んでいる印象を持ちました。キャシュレスは当然ですが、博物館の入場券などもネットで購入します。事前に購入しないと見学できなかったり、長い列に並ぶことになります。
ホテルもチェックインする時にホテル専用のアプリをスマートフォンにインストールします。部屋のライトやエアコンの操作などもスマートフォンからできるようになります。
国民性も感じました。感情の表現や自己主張も日本とは違う印象を持ちました。
例えば、神殿の見学をした際、長い行列ができていました。私は予約していなかったので、長い列に並びました。チケット販売のゲードが開いたため、一時的に列が乱れました。そのどさくさで、何人かが横から割り込みをしようとしました。すでに並んでいる人は、割り込んだ人に対して列の後尾にならぶよう抗議しました。割り込んだ人は、その言葉を無視して前に進もうとしました。そのとたん、行列から大きなブーイングが発せられました。しぶしぶ、その人たちは行列の最後尾に移動しました。その行動に行列からは拍手が沸き上がりました。その拍手は割り込んだ人を讃えるようにも聞こえました。
日本ではあまり割り込みの行為は見かけませんが、あっても心の中で「ずるいな」とつぶやく程度です。海外では自己主張することが当然といった印象を持ちました。
パリオリンピックでは、女子バレーボールの準決勝、アメリカ対ブラジルを見ました。私は日本の国旗がプリントされたTシャツを着て参加しましたが、同じように日本のシャツを着ている人もいて、見知らぬ人でしたがお互いに手を振って挨拶をしました。
バレーボールの試合は、試合を盛り上げるための様々な仕掛けがありました。もちろんテレビ中継されていましたが、試合前やゲームの間のダンス、中世期の女性に扮した人が登場したりしました。大会マスコット、フリージュも登場しました。フリージュは「民衆を導く自由の女神」の女神がかぶっていたフリジア帽を意味しています。
なんといってもすごかったのはブラジルの応援でした。ラテンのノリを目の当たりにしました。ブラジルの応援は総立ちでノリノリでダンスをしながら試合を盛り上げていました。
これは素晴らしいと感じました。ブラジルの人たちは、心から試合を楽しみながら応援している印象でした。日本人でしたら、恥ずかしいと感じてしまいますが、全身で感情を表現している印象を持ちました。
パリに行って大きく感じたことがありました。物価が日本の3倍程度でした。パスタも1皿20ユーロ程度でしたら日本円で3000円を超える価格でした。ペットボトルの飲み物も日本円で300円程度でした。改めて日本は物価が安いと印象をもちました。インバウンドで海外から多くのお客様が訪日する理由もわかりました。
安いことはいいことですが、日本が安く買われてしまうという危機感をもちました。日本の物価は円安も影響していますが、製品だけでなく、日本の不動産や企業が買われてしまう危機感を感じました。
日本の30年前は、世界の企業における時価総額のトップ10はほとんど日本の企業でした。先進国の中でもこれほどまでに日本の物価が安いことにショックを感じました。
日本の物価は先進国の中でもかけ離れている印象をもちました。円安の影響もありますが、日本がこれからも豊かで暮らしやすい社会にするためにも、所得を増やし、高い物でも買おうという機運を高めことが大切であると思いました。このことが、自国を守ることにつながると感じました。
海外へ行って、改めて感じた日本の印象ですが、日本のクオリティが高いことを改めて感じました。街の綺麗さ、公共交通機関の質、サービスまで日本のクオリティの高さは強みになると思います。
日本の質へのこだわり、綿密さは、強みにもなりますが、世界的な流れに乗り遅れる可能性がある印象を受けました。海外では合理性の優先、不完全なものに寛容に受け入れると感じました。日本では、不備が見つかると強く非難されます。そのため、不備のないように準備します。目まぐるしく変化する社会へのスピード感は大切であると感じました。
サービスも、日本ではお客様第一に丁寧に対応します。素晴らしいことですが、人的なコストがかかります。しかし、なかなか価格に反映できないため結果、低賃金となってしまいます。高い質は強みになりますが、人的なコストに対する生産性を高めることも課題であると感じました。
その他の印象ですが、若い人が多い印象を受けました。都心部を中心にまわったのでそのような印象をもったかもしれませんが、街全体に活力がある印象をもちました。日本の少子高齢化は世界的にも進んでいる感じがしました。
これからも、日本が世界をリードし、物心共に豊かな生活を送るためにはグローバル化は避けられません。
日本の持つ、勤勉さや細やかさを強みに、したたかというより、しなやかに、積極的に世界に羽ばたいてもらいたいと思います。
パリオリンピックは終わりましたが、現在、パラリンピックが開催されています。誰もが輝ける社会を作りたいと思います。日本の選手を応援しましょう。日本がんばれ!
最後に、今日皆さんが元気に登校してくれてありがとう。もし不安や心配があるようでしたら勇気をもって周りの先生方に相談してください。
2学期も皆さんが元気で活躍されることを祈り、校長講話とします。